(令和4年5月17日更新)
売りに出している不動産が売れないのには理由があります。
本記事では不動産仲介で家が売れない理由と、その対処法について解説します。
よくある質問についてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
■不動産が売れない理由と対処法
早速、本題の不動産が売れない理由と対処法について解説します。
不動産が売れない理由には、主に以下の3点が挙げられます。
順番にご紹介していきましょう。
価格が高い
価格が高いことが、売れない原因として最も多くの理由を占めます。
元々は自身が気に入って購入した不動産を、さまざまな理由で売ることになるわけですが、安く売りたいと思う人は1人もいないでしょう。
逆に少しでも高く、と考えるのが人情ですが、不動産市場には「相場」が存在するため、そう簡単にはいかないのが実情です。
インターネットから大量に情報を得られる現代においては、不動産の相場についても一定の情報を簡単に仕入れられるようになっています。
例えば、特定のエリアで居住用の不動産を探している人は、そのエリアの物件情報を常にチェックしているため、おのずと相場感が養われるため、不動産の高掴みはしにくいといえるでしょう。
さらにいえば、日々更新されるそれらの情報を、スマホ片手に簡単にチェックできます。
インターネット普及前は、不動産情報は不動産屋に行くかチラシ広告などから得ることがメインでした。
結論として、一部例外を除いては、相場を無視した不動産価格は売れない可能性が高いため注意が必要です。
対策としては、シビアな話ですが、自身の不動産の価値を見誤らないことといえます。
決して過大評価はせず、たくさんの意見を取り入れて適正な価格で売りに出せば、不動産は必ず売れる時が来るでしょう。
室内の状況が悪い
室内の状況が悪いことも不動産が売れない理由の一つです。
築年数が浅いに越したことはないですが、築年数よりも大切なのは室内の清潔感といえます。
例えば、築年数は浅いが生活臭や汚れの多い家か、築年数は経過しているが掃除の行き届いた清潔感のある家とでは、目で見た印象が良いのは後者です。
居住中で売りに出す場合には、特に上記の違いは顕著に現れます。
空き家の場合でも、住んでいた頃の使用状況は建具や設備などに違いが出るため、売りに出す際の影響は大きいといえるでしょう。
きれいに見せて高く売るためにリフォームすれば?と考える人もいますが、リフォームをかけた代金分、またはそれ以上に高く売れるとは限りません。
本末転倒な結果にもなりかねないため、リフォームに一定の見識やツテなどが無いのであれば、あまりおすすめの方法とはいえないでしょう。
対策として、自身が住んでいた不動産を売る場合は、とにかく大事に住んでおくことです。
前述のように使用状況次第で、室内を目で見た印象は大きく変わります。
一度傷ついた床や建具、設備などは、補修や交換をしないときれいにはならないため、資産価値を維持するためにも大切に使用しましょう。
広告掲載の問題
適切な広告掲載がなされておらず、売れないこともあります。
不動産の広告掲載はインターネットが主流となりますが、広告の掲載方法次第で反響の度合いも変わるため、非常に重要な要素です。
・物件の詳細が網羅されている
・写真が掲載されている
・物件の特徴が簡潔に述べられている
主には上記の3点が挙げられます。
物件の詳細や特徴については、よく調べておけば埋められる項目といえますが、不動産がなかなか売れない場合は、掲載写真を確認してみるとよいでしょう。
家を探している人の興味を引く写真かどうかは、反響の数に大きく影響します。
人は情報の大半を「視覚」から得るといわれており、掲載物件の写真を充実させることは大変重要です。
水回り・リビング・居室・収納などが全体的に視認できる写真が必要なことから、屋内の写真撮影には広角レンズのカメラが適しています。
情報量が少ない広告を見て、実際に物件を内覧したいと考える人は少数です。
むしろ、情報量が豊富な広告ほど、人の興味を引き、実際に見てみたいと考えるでしょう。
居住中で屋内の写真撮影ができない場合は、外観や周辺環境を重点的に撮影して興味を引くことが重要です。
不動産が売れないときは、自身の不動産がどのように広告掲載されているのかを、今一度確認してみるとよいでしょう。
■家が売れない原因は不動産会社?
極論をいえば「安ければ売れる」
不動産は極論として、安ければ必ず売れます。
「安い」の定義は近隣相場よりも安いことを意味しますが、そんなことは誰もが百も承知でしょう。
要するに、相場よりも安い不動産は、特別な広告活動をしなくとも勝手に売れるということです。
つまり安い不動産に、不動産仲介会社の力量は必要ないともいえます。
不動産仲介における不動産会社は、ルールに基づいた適正な売買契約をする橋渡し役であると同時に、不動産を適正な価格で仲介する役割を担っています。
したがって、安く売ることが仕事ではないという意味において、不動産仲介会社の責任は大きいと考えるべきでしょう。
やはり不動産会社の努力は必須
前述の理由も含め、不動産が売れないのは、やはり不動産会社にも責任の一端があるといえます。
不動産が売れないのには必ず理由があります。
価格は大きな要素を占めますが、それ以外の原因で売れないこともあるでしょう。
なぜ売れないのか?売れない原因と対策を明確に示すだけでなく、その理由を売主に納得させられるだけの説得力をもった不動産会社との出会いがあれば、売れない不動産はなくなります。
売れない不動産を売るためには、会社との信頼関係は必須といえます。
信頼できる不動産会社に出会う方法
信頼のおける不動産会社に出会う方法は、たくさんの不動産会社に出会い、話を聞くことに尽きるでしょう。
なかなか面倒な作業ではありますが、そもそも比較検討ができなければ、信頼できる、できないの判断などできません。
したがって、たくさんの不動産会社の理念や営業マンの考え方に触れることで、良い出会いの可能性も増えます。
ただし注意点として、たくさんの不動産会社に会うことだけを目的とせず、自身の直感を大切にするようにしましょう。
たくさんの不動産会社に出会うことはあくまでも「手段」であり、信頼できる不動産会社に出会うことが「目的」です。
直感と聞けば「勘」のようなイメージで、ある意味「賭け」のように考えがちですが、直感とは人生の経験から来るものであり、それが人を見る「目」といえます。
したがって、直感を大切にすることが自身にとっての良い出会いとなる可能性は高いといえるでしょう。
■不動産が売れない場合のQ&A
不動産会社は大手が良い?
一概にはいえませんが、大手の不動産会社に依頼することはおすすめです。
社会的に信用のある会社に依頼することで、買主からの信頼も得やすくなります。
不動産会社は企業努力をして、さまざまな会社の特色を宣伝していますが、買主が一番に求めることは、「安心した取引ができること」です。
その点において、大手不動産会社は社会的責任も大きく、それに比例する社会的信用があると考えてよいといえます。
ただし、一番重要なのは良い営業マンとの出会いです。
自身にとって良い営業マンが大手にいるとは限らず、街の小さな不動産会社にいることも十分にあります。
社会的信用において大手不動産会社はおすすめですが、そこにこだわりすぎないように注意しましょう。
価格を下げても売れない場合は?
価格を下げても売れない場合の理由は、価格を下げてもまだ相場より高いことが考えられます。
前述のようにこの世に売れない不動産は無く、極論、価格が安ければ必ず売れます。
逆の発想として、付加価値によって逆に高く売る方法もありますが、これらは一般の人ではなかなか難しく、不動産買取業者がよく用いる手法です。
具体的には、夢を膨らませるようなセンスのあるリフォームを行うことが代表的といえます。
とはいえ、一般的な不動産仲介において上記のような売り方は難しいといえるため、売れない場合は価格を見直すか、少しでも部屋をきれいにするなどの対策が現実的です。
不動産が売れる時期は?
年間を通して不動産が最も多く取引される時期は3月です。
以下の表は、2010~2020年の各年度における、月間平均不動産取引件数(全国)をまとめたものです。
年度 | 月間平均取引件数 (戸建住宅) | 3月取引件数 (戸建住宅) | 月間平均取引件数 (マンション) | 3月取引件数 (マンション) |
2010年 | 13,445 | 17,312 | 13,045 | 18,135 |
2011年 | 12,578 | 15,777 | 12,035 | 17,431 |
2012年 | 12,903 | 16,036 | 12,306 | 17,517 |
2013年 | 13,298 | 16,523 | 13,353 | 19,172 |
2014年 | 13,204 | 18,836 | 13,137 | 21,088 |
2015年 | 13,811 | 17,122 | 13,932 | 19,374 |
2016年 | 14,063 | 17,796 | 14,747 | 20,428 |
2017年 | 14,349 | 18,230 | 15,420 | 21,424 |
2018年 | 14,447 | 17,331 | 15,669 | 20,883 |
2019年 | 15,168 | 17,879 | 16,330 | 20,711 |
2020年 | 14,905 | 18,408 | 14,967 | 20,483 |
※国土交通省資料「不動産取引件数・面積」を参考に作成
参考URL:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
上記の表を見てわかるように、各年度における月間平均に対して、3月の平均は全ての年度において大きく上回っています。
したがって、年間を通して最も取引が多いのは3月であることが明白な結果となりました。
ちなみに、3月に次いで近い水準にあるのは12月です。
このことからも不動産が動くのはいわゆる「節目」にあたる時期であることがわかります。
不動産が売れない場合は、3月または12月に何らかのアクションを起こしてみるのがおすすめです。
■まとめ
ここまで、不動産仲介で家が売れない理由や対処法についてご紹介してきました。
不動産が売れない場合には、適切な時期に適切な対策をすることで相乗効果を狙って、問題解決に努めてみてはいかがでしょうか。
「本記事のまとめ」
売れない不動産はない 相場より安ければ必ず売れる
不動産広告は視覚に訴えかける「写真」を充実させる
不動産が一番売れる時期は3月、次いで12月